その褒め方、愛犬に伝わっていないかも!?犬の正しい褒め方を解説!

基本のしつけ

愛犬に言葉って通じているのかな?

愛犬に私の意図はしっかりと伝わっているのかしら?

犬とのコミュニケーションについて、このような疑問を抱えていませんか?

日々愛犬と暮らしていても、どのように関われば良いのか分からないことも出てきますよね。

犬は、上手に褒めて伸ばすことで最高のパートナーになってくれる動物です。

この記事では、現役のドッグトレーナーとして多くの相談を受けてきた筆者が、以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 犬は言語を理解できるのか
  • 犬に褒め言葉を教えるトレーニング方法
  • 犬の正しい褒め方
  • 勘違いしがちな誤った犬の褒め方

この記事を読むことで、今よりも愛犬に伝わりやすいコミュニケーション術を学べるはずです。

あなたと愛犬の生活がより快適になるヒントをまとめています。

ぜひ最後まで読んで、愛犬との生活に役立ててね。

犬は褒め言葉を理解できない

犬は人間のように言語を理解できるのでしょうか?

結論から言うと、答えはNOです。

しかし、あくまで「人間のようには」です。

単語を学習し、聞き分けて判断していくことは環境次第でできるようになっていくでしょう。

犬は人間の話す言語を、下記のように結びつけて学習しています。

単語の音→直後の結果事象

  • 「散歩」という音→外に出られるという結果事象
  • 「ごはん」という音→フードが出てくるという結果事象
  • 「寝るよ」という音→ハウスに入れられるという結果事象

このように、単語の音とその直後の結果事象が繰り返されることによって、犬は予測できるようになっていきます。

犬にとって言語はただの音であり、何かしらの合図でしかないということです。

つまり、犬を褒めようといくらポジティブな言葉をかけても、その言葉自体の意味を理解することはできません。

  • いいこ
  • えらい
  • 上手
  • かわいい
  • お利口さん

これらの言葉は、人間にとっては報酬となり得るポジティブな意味を持っているでしょう。

しかし犬にとっては、学習されていない限り意味を持たないただの音でしかありません。

そこで、犬の正しい褒め方を学ぶ前に、愛犬に褒め言葉を学習させる効果的で簡単なトレーニングをご紹介しましょう。

誰でも簡単!褒め言葉トレーニングの手順

犬とのコミュニケーションを円滑にする、「褒め言葉トレーニング」に取り組んでみよう!

手順は以下の通りです。

  1. 褒め言葉を一つ決める
  2. 褒め言葉を愛犬に伝えた直後におやつを一つ与える
  3. 2の手順をテンポよく20回程度繰り返す

順番に解説していきましょう!

褒め言葉の決め方

褒め言葉を一つに設定する理由は、複数あるとシンプルに手間がかかるからです。

たくさんの褒め言葉を犬に覚えさせることは可能です。

しかし、全ての褒め言葉にポジティブな結果事象を結びつけていく必要があります。

徐々に褒め言葉を増やしていくことはできるので、最初は褒め言葉を一つに絞って集中的にトレーニングしていきましょう。

褒め言葉は、3文字以内の簡潔な言葉がおすすめです。

参考までに、経験上人気な褒め言葉トップ3を紹介するよ

  1. いいこ
  2. えらい
  3. よし

使いやすい褒め言葉をご家族で相談して決めてみましょう。

具体的な褒め言葉トレーニングの手順

褒め言葉が決まったら、早速トレーニングを開始しましょう。

まずは事前準備として、おやつを小さくちぎります。

おやつのサイズは、1円玉よりも少し小さいくらいで十分です。

このサイズのおやつを20粒ほど用意しましょう。

おやつが用意できたら、そのおやつを後ろ手に隠し、愛犬の前に立ちます。

はっきりと分かりやすい声で褒め言葉を伝えましょう。

褒め言葉を伝えた後に、おやつを一粒与えます。

咀嚼が終わると同時くらいに再度褒め言葉を伝え、その後におやつを一粒与えます。

この作業を、手に持っているおやつがなくなるまで繰り返しましょう。

褒め言葉トレーニングの注意点は以下の通りです。

⚠️褒め言葉トレーニングの注意点⚠️

  • 褒め言葉は簡潔な3文字以内の言葉で設定する
  • 褒め言葉をしっかりと伝えきるまでは、おやつを持っている手を動かさない
  • テンポを重視し、犬の咀嚼が終わるタイミングで再度褒め言葉を伝えておやつを与える

注意点をしっかり守らなければ、トレーニングの効果がなくなってしまいます。

必ず3つの注意点を意識してトレーニングに取り組むようにしましょう。

褒め言葉トレーニングの効果

褒め言葉トレーニングは、明確に体内の反応にも影響を及ぼします。

犬が褒め言葉を理解する過程で、体内にどのような反応が起こっているのかを理解すると、トレーニングの成功確率も上がっていくでしょう。

そもそも、犬に褒め言葉を理解させるには、人間が褒められた時のように「嬉しい」や「楽しい」といったポジティブな感情が湧くようにしなければいけません。

これらのポジティブな感情を生み出すのに重要なものとして、ドーパミンがあります。

ドーパミンとは…意欲や快感などを司る脳内で放出される神経伝達物質のこと

このドーパミンは、主に生理的欲求が満たされた時に放出されます。

ドーパミンが放出されるタイミング

  • 空腹時に食べ物を食べた時
  • 性的欲求が満たされた時
  • 睡眠欲が満たされた時

ドーパミン放出を促すことが学習作用に大きな影響を与えるため、ドッグトレーニングではおやつを使うことが多いのです。

褒め言葉トレーニングは、ドーパミン放出を促す「おやつ」と、「褒め言葉」という音声刺激を結びつける作業です。

「褒め言葉→おやつ」が繰り返されることで、次第に褒め言葉を聞くだけでドーパミンが放出されるようになります。

この学習を応用すれば、あらゆる刺激を褒めている合図として覚えさせることができます。

褒め言葉以外の音声刺激とドーパミン放出が結びついてる例

  • 犬のクリッカートレーニング
    クリッカー音→おやつ→ドーパミン放出
    クリッカー音→ドーパミン放出
  • 水族館のイルカやアザラシ
    ホイッスル音→さかな→ドーパミン放出
    ホイッスル音→ドーパミン放出

ここまで読み進めてくれた読者のみんなは理論と実践が結びついたね!

次はいよいよ、犬の正しい褒め方を学んでいこう!

犬の正しい褒め方

犬に褒め言葉を学習させたうえで、褒めていることをしっかりと愛犬に伝えたい場合は以下の3つの点に注意しましょう。

⚠️犬を褒める際の3つの注意点⚠️

  • 褒める時は行動の直後、1秒以内に褒める
  • 褒める時は必ず「褒め言葉」→「おやつ」の順で与える
  • 徐々におやつの量を減らしていく

どれも大切だから、順番に解説していくよ!

褒めるのは1秒以内に!

犬とコミュニケーションをとっていくうえでは、基本中の基本になります。

これは褒める時だけではありません。

  • 叱らなければいけない時
  • 何かをやめてほしい時
  • 正解の合図を出す時

全て愛犬の行動の最中、または1秒以内にアクションを起こすようにしましょう。

言語を理解できない犬は、今この場で起こっていることでしか学習できません。

その瞬間の行動に合図を送ってあげなければ、自らの行動と飼い主のアクションを結びつけることができないのです。

褒める時は、愛犬の行動の1秒以内を目指して声掛けをするようにしましょう。

「褒め言葉」→「おやつ」の順で褒める

トレーニングで褒め言葉を覚えさせたから、褒める時は声かけだけで良いんだよね?

トレーニングで習得した褒め言葉を早速活用する姿勢は素晴らしいですが、これは間違いです。

もちろん先ほど紹介したトレーニングを行えば、飼い主の声掛けはしっかり報酬として機能します。

しかし、生物は生きている限り学習し続けるという点に注意しなければいけません。

褒め言葉の後に何も出てこないことが続くと、次第に褒め言葉の効力が消えていってしまいます。

新たに「褒め言葉」→「何もなし」という学習が上書きされてしまう

特に、トレーニングの初期段階では反応が消失してしまうのも早いです。

必ず褒め言葉を伝えた後に、おやつもセットで与えるようにしましょう。

それだと、おやつがないとやらなくなってしまうのでは?

おやつもずっとあげ続けなくちゃいけないの?

このように思った人も多いでしょう。

これについては、次で紹介する注意点を意識してもらえると解決することができます。

徐々におやつの量を減らしていく

しっかりと犬に褒めていることが伝わっていれば、その犬は褒められた行動をとることが多くなっているはずです。

上手に褒めることができていると感じられたら、勇気を出して徐々におやつを減らしてみましょう。

ポイントは、少しずつ減らしていくことです。

いきなりおやつを減らされると、モチベーションも急激に下がってしまいます。

モチベーションが下がらないよう、徐々におやつをフェードアウトさせていきましょう。

注意:正解の行動をとった直後の褒め言葉は毎回伝える必要あり!

おやつの減らし方の一例

1回目→いいこ!

2回目→いいこ!

3回目→いいこ!→おやつを与える

また、おやつは犬に予測されないようランダムに減らさなければいけません。

3回に1回おやつが出てくると分かると、3回だけ一生懸命やってそれ以上はやらないようになってしまいます。

ランダムにおやつを減らす際の一例

1回目:2回正解の行動をとったらおやつを一粒与える

2回目:3回正解の行動をとったらおやつを一粒与える

3回目:1回正解の行動をとったらおやつを一粒与える

4回目:3回正解の行動をとったらおやつを一粒与える

このようにして、なるべく規則性のないようにおやつを減らしていきます。

愛犬のモチベーションが低下していないようなら、少しずつおやつを出すまでの間隔を延ばしていきましょう。

おやつの出るタイミングを延ばしながらランダムにしていくことで、いつかは貰えるおやつを期待して行動頻度を下げずにおやつを減らしていくことができます。

さらに、常にもらえる報酬に比べて、時々もらえる報酬の方が相対的に価値が高くなります。

同じおやつを与えていても、おやつを上手に減らしていくことで報酬のパワーがみるみる上昇していくでしょう。

そしてゆくゆくは、飼い主の笑顔や、声色、身振りなどと褒め言葉も結びついて、犬が正しい行動をとった時の飼い主の振る舞い自体がその犬の報酬へと切り替わっていくのです。

そうなれば、おやつに頼ることなく犬と円滑なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

犬に伝わりづらい褒め方3選

最後に、下手っぴな犬の褒め方を3つ紹介します。

  1. 褒め言葉がいくつもある
  2. 行動の直後に褒めていない
  3. 実は犬が嫌がっていることをしている

ついついやりがちなので、自分に当てはまっていないか確認してみましょう。

①褒め言葉がいくつもある

褒め言葉トレーニングの際に、褒め言葉を家族内で統一してもらったのは、褒め言葉がいくつもあると非常に犬に伝わりづらいからです。

人間の赤ちゃんも、「ママ」「パパ」のような簡単な単語から学習していきます。

簡単でよく飼い主が口にする単語から徐々に学習していくのは、犬も同じことです。

いかなる褒め言葉も、学習する前の犬にとっては全て訳の分からない暗号のように聞こえているでしょう。

  • 学習していない単語がいくつもある
  • 毎回使われる単語が違う

このような状態では、犬の学習スピードは急激に落ちてしまいます。

逆に、家族で統一した一つの褒め言葉をしっかり学習させることができれば、次はその褒め言葉と別の言葉が結びつきます。

そうなれば、犬にとってポジティブな声掛けはぐんぐん増えていくでしょう。

②行動の直後に褒めていない

上手に留守番できたらおやつあげるからね

きちんとシートにトイレできてたのえらいね!

このように、未来や過去の事象に報酬を用いても犬には何も伝わっていません。

犬を褒める時は、行動の1秒以内が鉄則です。

  • 留守番できていたら、帰ってきた瞬間に褒める
  • シートにトイレをできた瞬間に褒める

その瞬間を逃さず、即座に報酬を提示する癖をつけていきましょう。

③実は犬が嫌がっていることをしている

これも非常によく見かけるケースです。

わざわざ、愛犬に嫌がらせをしてやろうという飼い主はいないでしょう。

しかし、飼い主は褒めているつもりでやっていることが、犬からするとただの迷惑であること多々あるのです。

犬の仕草を見ていると、明確に拒否のシグナルを出してアピールしていることがあります。

  • 褒めながら頭を撫でる
  • 褒めながら抱きしめる
  • 高い声とテンションで犬を褒める

あなたがこのように褒めた時、愛犬はどのような反応をしているでしょうか?

しっかりと観察してみましょう。

  • 撫でようとした手から顔を背ける
  • 褒めた瞬間に逃げようとする
  • こちらの声にビクッと反応する

このような反応があれば、飼い主の対応が犬にとっての報酬になっていない可能性が高いです。

  • おやつをあげる
  • 褒め言葉をかける
  • 目を合わせる
  • 微笑みかける

大袈裟に褒めなくても、これらだけでしっかり報酬として作用しています。

褒めているつもりが、愛犬にとっての罰になってはいないでしょうか?

愛犬の反応をしっかりと観察して、自らの振る舞いへの気配りを忘れないように注意しましょう。

まとめ:褒め上手は犬育て上手

この記事では、犬の正しい褒め方について、重要なポイントを分かりやすく解説しました。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 犬は言語を人間のようには理解できない
  • 犬を正しく褒めるには、まず「褒め言葉トレーニング」から
  • 必ず行動の直後に褒めよう!
  • おやつは計画的に減らしていくべし

種族の違う「人」と「犬」が円滑にコミュニケーションをとるのは容易なことではありません。

しかし、犬に伝わりやすいコミュニケーションの方法は、学んでいけば誰でも習得することができます。

的確に褒められるようになれば、みるみる愛犬との関係性にも変化が現れてくるでしょう。

そして、トレーニングを上手く活用すれば、おやつという脆弱な報酬から、飼い主の声掛けや存在自体という強固な報酬へと変換していくことも可能です。

そうなれば、飼い主と愛犬の絆は揺るぎないものになっているでしょう。

すぐ完璧にできるものではありませんが、焦らず一つずつ積み重ねていけば、確実に愛犬の変化を実感できるようになるはずです。

犬のしつけは、性格・年齢・環境などによって最適な方法が異なります。

どうしても行き詰まってしまう場合は、専門家(ドッグトレーナー)のアドバイスを取り入れることが、解決への近道になるかもしれません。

これからも知識を深めながら、あなたと愛犬がより快適に過ごせる毎日をつくっていきましょう。

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