
うちの犬、名前を呼んでも全然来てくれない…

むしろ、呼んだ瞬間にサッと逃げて行くことさえある…
こんなお悩みを抱えていませんか?

「どう対応すれば良いのか」「何が原因なのか」と迷っちゃうよね。
この記事では、現役のドッグトレーナーとして多くの相談を受けてきた筆者が、下記のポイントを分かりやすく解説します。
- 犬が名前に反応しない理由
- 名前を呼んだときに反応してもらうための方法
- 「名前トレーニング」で得られる良い変化
- 名前に反応しなくなってしまう飼い主のNG行動
この記事を読むことで、あなたは次のようなことに役立てられるはずです。
- 愛犬とのより円滑なコミュニケーション
- 呼び戻しの成功率アップ
- 愛犬に嫌われないための振る舞い方
あなたと愛犬の生活がより快適になるヒントをまとめています。

ぜひ、最後まで読んで愛犬との生活に役立ててね。
犬が名前を呼んでも来てくれない理由4選

まずは、原因を知ることから始めましょう。
なぜ、名前を呼んでも愛犬は反応してくれないのか?
その主な理由は次の4つです。
- 犬が名前を理解できていない
- 名前とネガティブな事象が結びついてしまっている
- 何か別のものに夢中になっている
- 耳が聞こえていない

順番に解説していくよ!
犬が名前を理解できていない
シンプルに、まだ犬が自分の名前を認識できていないケースです。
お迎えしたばかりの犬は、自分の名前に反応しなくて当然だと考えてください。
犬は、言語を人間のようには理解できません。
おそらく、名前が「自分のことを指す名詞」としては理解していないでしょう。
単なる音の合図として認識していると考えられます。
名前を呼ばれる→飼い主の関心が自分に向く
この経験が何度も積み重なることで、犬は名前に反応するようになります。

ぽち!

この音が鳴ったということは構ってもらえるのか!?
逆に言えば、経験の浅い犬にとって名前はただの音。
そのため、呼ばれても反応しないのは不思議なことではありません。
名前とネガティブな事象が結びついてしまっている
犬と生活を共にしていると、自然と「名前の音」に対しての学習は進んでいきます。
前述の通り、犬は名前が自分のことを指す名詞として認識しているのではなく、単なる音として捉えているはずです。
名前=自分のことを指す名詞
名前=その直後によく起こる結果事象を予測させる合図
つまり、名前を呼ばれた後に起こる結果がネガティブな事象であれば、名前は「嫌なことが起こる合図」として結びついてしまいます。
以下のような反応が見られる場合は、名前がネガティブな事象と結びついてしまっている可能性が高いでしょう。
- 名前を呼ぶと振り向くが、近寄ってこない
- 耳がピクッと動くなどの反応はあるが、明らかに無視される
あなたの愛犬に上記のような様子が見受けられるなら、次の2つの対応が必要です。
- 名前トレーニングに取り組む
- 名前を呼んだ後にネガティブな経験を積ませないようにする
何か別のものに夢中になっている
名前に反応する犬でも、何か別のものに夢中になって反応しなくなることがあります。
- 外に出ると名前を呼んでも無視される
- 家では呼び戻しできるが、ドッグランに行くとできない
- 人や犬がいる環境だと名前を呼んでも振り向かない
これらに当てはまるようなら、犬は「名前を呼ばれることで得られる結果」よりも「目の前のもの」のほうが価値が高いと判断していることになります。
飼い主の関心<目の前のもの
このような場合も、名前トレーニングに取り組んで「名前を呼ばれること」の価値を引き上げることが必要です。
耳が聞こえていない
健康上の問題で名前に反応できていないケースもあります。
先天性なのか後天性なのかによっても原因は様々ありますが、一般的には下記のような理由が考えられるようです。
- 遺伝性疾患
- 耳道が腫瘍などで塞がれてしまっている
- 外耳炎や内耳炎
- 薬の影響
- 老化
この他にも様々な原因が考えられるでしょう。
遺伝性の疾患や老化によるものは治療が難しいですが、腫瘍や炎症が原因であれば適切な治療で聴覚が回復する可能性もあります。
以下のような様子が見られる場合は、一度かかりつけの動物病院に相談してみた方が良いでしょう。
- 大きな音にも反応しない
- 寝ている時に音が鳴っても目を覚さない
- 後ろからの接近に驚くことが多い
難聴であっても、飼い主のサポートがあれば問題なく日常生活を送れることがほとんどです。
しかし、しつけでの問題がある場合は、いくつか配慮や工夫が必要になるためドッグトレーナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
すぐ実践できる!名前トレーニングの手順

名前に対してしっかりとした反応を作っていくために、これから紹介する「名前トレーニング」に取り組んでみましょう。
手順はとてもシンプルです。
名前トレーニングの基本手順
- おやつまたはフードを20〜30粒手に持ち、その手を後ろに組んで隠す
- 愛犬の前で名前を呼び、隠していたおやつを1粒だけ与える
- 手に持っているおやつがなくなるまで、同じ手順を繰り返す
①おやつを後ろ手に隠し、はっきりと名前を呼ぶ

②名前を呼んだ直後におやつを1粒与える→以下繰り返し!

⚠️ トレーニング時の注意点
- テンポを重視し、リズム良く与える
→おやつを咀嚼している最中に、次の名前を呼ぶくらいのスピード感が理想 - 名前を呼んだ後は、必ず顔の前におやつを持っていく
→名前に反応してこちらを向いていなくてもOK! - おやつを出すのは、必ず名前を呼び終わってから
→名前を呼びながら手を動かすのはNG
このトレーニングは、まず自宅などの落ち着いた環境で行いましょう。
名前への反応率が上がり、名前を呼べば自然とこちらへ駆け寄って来るようになってきたら、少しずつ環境の難易度を上げていきます。
トレーニング中、愛犬が飼い主を見つめて集中できている状態であれば次のレベルへ進んでOKです。
難易度レベルは以下を参考にしてください。
名前トレーニングの難易度レベル
レベル1:自宅内
レベル2:自宅内で散歩の準備をして(首輪orハーネス・リードを着用)
レベル3:自宅前の車通り・人通りが少ない道で
レベル4:散歩コースの色々な場所で
レベル5:ドッグランなどのノーリードにできる場所で
トレーニングには食べ物を使用するため、お腹の空いているタイミングで行う方が報酬の価値が高くなります。
1日2回、ごはん前にこのトレーニングに取り組むのがおすすめです。
反応が安定するまでは、最低でも1日1回は取り組むようにしましょう。

トレーニングは継続することで定着していくよ!
名前トレーニングの効果

名前トレーニングは、次のような非常にシンプルな仕組みで成り立っています。
名前を呼ばれる→おやつなどの食べ物が出てくる
この単純な動作を繰り返すことで、「名前」と「ポジティブな事象」を意図的に結びつけていきます。
つまり、名前という音を「おやつの出てくる合図」として学習させるわけです。
名前トレーニングで食べ物を使う理由は、手軽に脳内でドーパミンの放出を促せるからです。
ドーパミンとは…意欲や快感などを司る脳内で放出される神経伝達物質のこと
ドーパミンが放出されると、モチベーションが高まり強い快感を感じるようになります。
これは人間も同じで、おいしい料理を食べた時に多幸感に包まれるのも、ドーパミンの働きによるものです。
この学習は、脳や内臓の反応など体の内部にも影響を与えます。
名前を呼ばれる→おやつを食べる→ドーパミンが放出される
この流れを繰り返すことで、次第に「名前を呼ばれただけ」でドーパミンが放出されるようになります。

この学習が成立した犬には、下記のような変化が生まれます。
- 名前を呼ばれるだけでモチベーションが上がる
- 名前を呼ばれるだけで嬉しい・楽しいという感情が湧いてくる
名前を呼ばれると、期待感から自然と飼い主に関心を向けるようになるのです。
その結果、「名前を呼ばれる」→「こちらを見る・近づく」という行動が定着していくでしょう。
犬が呼んでも来なくなる飼い主のNG行動2選

たとえ名前トレーニングに取り組んでいても、飼い主の行動次第で、呼び戻しがうまくいかなくなるケースは少なくありません。
特に注意したいNG行動は、次の2つです。
- 名前を呼んだ後に「犬が嫌がること」をする
- 名前を呼んで叱る
どちらも、多くの飼い主が無意識にやってしまいがちなので注意しましょう。
名前を呼んだ後に「犬が嫌がること」をする
名前を呼んだ後に、愛犬が嫌がる行為をしてしまっていないでしょうか?
ここでの重要なポイントは、「人間がどう思うか」ではなく、「犬がどう感じているか」です。
たとえば、次のような行動が挙げられます。
- 逃げているのに、名前を呼びながら追いかけて無理やり抱っこする
- 手を避けたり顔を背けたりしているのに、名前を呼びながら撫で回す
- 「〇〇ちゃん〜大丈夫よ〜」と名前でなだめながら、嫌がる行為を無理やり続ける
このような経験が繰り返されると、名前とネガティブな事象が結びついて学習されてしまいます。
生き物は本能的に、身の安全に関わるネガティブな経験ほど早く学習するものです。
その結果、次のような状態になりやすくなるでしょう。
- 名前を呼ばれると身構える
- 反応はするが、近づいてこなくなる
名前への反応が生まれても、警戒心から距離を取られてしまっては意味がありません。
名前を呼んで叱る
名前を呼んで叱る行為も、絶対に避けたいNG行動のひとつです。
名前=叱られる前触れの合図
名前で叱っていると、このように学習されてしまいます。
その結果、次のような行動が見られるようになるでしょう。
- 名前を呼ばれても無視する
- 名前を呼ばれた瞬間に逃げる
よくある例として、次のような使い分けです。
- 褒める時
〇〇ちゃん、上手だね〜! - 叱る時
こら!〇〇ちゃんダメでしょ!
このように正反対の状況で同じ名前が使われ続けると、犬は混乱し、疑心暗鬼になってしまいます。
犬に信頼されるために最も大切なのは、飼い主の一貫性です。
名前で叱ることが習慣になっていると、つい反射的に口にしてしまいがちですが、意識して控えるようにしましょう。
まとめ:名前とポジティブな事象を結びつけていこう!

この記事では、犬が名前に反応するようになるための基本的な名前トレーニングについて、重要なポイントを分かりやすく解説しました。

改めて、特に大切なポイントを整理しておこう!
- 「名前を呼ぶ→おやつを与える」をテンポよく20〜30回繰り返す
- 最初は成功しやすい環境で行い、徐々に環境の難易度を上げていく
- 名前を呼んだ後に、犬にとってネガティブな経験をさせない
- 反応が定着するまでは、最低1日1回は継続して取り組む
犬は、自分の名前という「音」を、その直後に起こる結果事象と結びつけて学習しています。
名前トレーニングに取り組み、名前を呼ばれた時の反応を丁寧に育てていくことで、愛犬とのコミュニケーションはより円滑になっていくでしょう。
一方で、名前を呼ばれた後に嫌なことばかり経験していると、呼び戻しができなくなってしまう原因にもなります。
すぐに完璧を目指す必要はありません。
焦らず、一つずつ積み重ねていくことで、必ず愛犬の小さな変化を感じられるようになります。
犬のしつけは、性格・年齢・環境などによって最適な方法が異なります。
どうしても行き詰まってしまう場合は、ドッグトレーナーなどの専門家のアドバイスを取り入れることで、解決への近道になります。
これからも知識を深めながら、あなたと愛犬がより快適に過ごせる毎日をつくっていきましょう!

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